アメリカの相続税制度とは?日本との違いをわかりやすく解説

日本に「相続税」があるように、アメリカにも遺産の承継に対して課税する制度があります。ただし、その仕組みは日本とは大きく異なります。ここではアメリカの相続税制度の基本的な考え方と、日本の制度との違いを解説します。

「遺産税」方式と「取得課税」方式の違い

日本の相続税は、亡くなった人(被相続人)の財産を相続人がそれぞれ取得した金額に応じて、各相続人に課税される「取得課税方式」です。相続人の数が多いほど、一人当たりの取得額が少なくなり、税負担も分散される仕組みになっています。

これに対してアメリカの制度は、亡くなった人の遺産総額に対して、遺産そのものに課税する「遺産税(Estate Tax)方式」です。相続人が何人いるかにかかわらず、遺産全体の価額を基準に税額が計算されてから相続人に分配される点が、日本の制度と大きく異なります。

高額な基礎控除(非課税枠)

アメリカの連邦遺産税には大きな基礎控除(exemption)が設けられており、控除額を超えない遺産には課税されません。この基礎控除は法改正によってたびたび見直されており、近年は物価上昇に応じて引き上げられる傾向にあります。そのため、実際に連邦遺産税の課税対象となるのはごく一部の富裕層に限られています。なお、具体的な控除額は法改正の影響を受けやすいため、最新の金額については専門家や公的機関の情報で確認することをおすすめします。

配偶者間の非課税制度

アメリカでは、配偶者に遺産を承継させる場合、配偶者控除(Marital Deduction)によって原則として無制限に非課税で財産を移転できる制度があります。また、夫婦の一方が基礎控除を使い切らずに亡くなった場合、その残りの控除枠を配偶者に引き継げる「ポータビリティ」という制度もあり、夫婦二人分の基礎控除を有効に活用できるようになっています。

州レベルの相続税・遺産税

連邦制度に加えて、一部の州では独自に遺産税や相続税を課しています。州ごとに控除額や税率、課税方式が異なるため、居住地によって税負担が変わる点も特徴です。

日本との主な違いのまとめ

日本の相続税は相続人ごとの取得額に応じて課税されるのに対し、アメリカの遺産税は遺産全体に課税される点、そして配偶者への承継が原則非課税とされている点が大きな特徴です。国際相続が関係するケースでは、日本とアメリカ双方の制度が絡み合い複雑になることがあるため、国際税務に詳しい専門家へ相談することが重要です。

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