経営者保証と事業承継|保証解除の方法・2023年改革プログラムの活用を解説

「事業を息子に継がせたいが、会社の借金の保証人を外れられるか不安。もし引き継いだら息子に個人保証が移るのか?」——経営者保証の問題は、事業承継の大きな障壁となっています。2023年には「経営者保証改革プログラム」が施行され、保証不要での融資が推進されています。この記事では、事業承継における経営者保証の扱いと解除方法を解説します。

経営者保証とは?

経営者保証とは、中小企業が金融機関から融資を受ける際に、経営者個人が会社の借金の連帯保証人になることです。会社が倒産・債務不履行になった場合、経営者個人が返済義務を負います。

【経営者保証の問題点(事業承継への影響)】

後継者が保証債務を引き継ぐことへの抵抗感が事業承継の障壁に
先代経営者が引退しても保証が残る→個人の財産が脅かされる
後継者が見つかりにくい:「借金の保証人になるなら承継したくない」という後継者候補が多い
相続時のリスク:先代経営者が亡くなっても相続人が保証債務を引き継ぐ可能性

「経営者保証に関するガイドライン」とは?

2014年に中小企業庁・金融庁が策定した「経営者保証に関するガイドライン」では、一定の条件を満たす場合に経営者保証なしでの融資や、保証の解除を金融機関に求めることができます。

【保証なし融資・保証解除の3要件】

①法人と個人の資産・経理の分離:役員報酬・貸付・担保提供等を整理
②財務の健全性:自己資本を充実させ、過大な借入金を抑制
③情報開示の充実:銀行に対して財務情報を定期的に開示する

上記3要件を満たす場合、金融機関に保証解除を申し出ることが可能

2023年「経営者保証改革プログラム」の概要

2023年4月から金融機関に対し、経営者保証を求める場合の説明義務が強化されました。事業承継時には特に、先代と後継者の「二重保証」を原則禁止とするルールが設けられています。

【改革プログラムの主なポイント】

📋 二重保証の原則禁止:事業承継時に先代・後継者両方に保証を求めることを原則禁止
📋 説明義務の強化:金融機関は保証を求める場合、その理由を具体的に説明する義務
📋 スタートアップへの保証免除:創業時の個人保証を求めないことを推進
📋 不動産担保中心からの脱却:事業価値・キャッシュフローを重視した融資へ

事業承継時の経営者保証解除の手順

【事業承継時の対応ステップ】

STEP1:現在の保証債務の状況を整理(金融機関・金額・条件)
STEP2:3要件(法人・個人の分離・財務健全化・情報開示)を整備
STEP3:金融機関に保証解除・切替を申し出る
STEP4:保証なし融資への切替えを交渉
STEP5:先代の保証を解除し、後継者への保証承継を行わない形で承継完了

※ 交渉が難しい場合は、中小企業活性化協議会・弁護士のサポートを活用

保証債務を相続で引き継ぐリスク

【相続と経営者保証の注意点】

⚠️ 経営者が亡くなった場合、保証債務も相続財産に含まれます(マイナスの財産)
⚠️ 相続人が相続放棄をしない限り、保証債務を引き継ぐリスクがある
⚠️ 相続放棄は「全ての財産(プラス・マイナス)を放棄」するため慎重な判断が必要
⚠️ 経営者保証の整理は生前に行うことが理想:死亡後は保証解除が難しくなる

まとめ

経営者保証は事業承継の大きな壁ですが、ガイドラインや改革プログラムを活用することで、保証なしの承継も可能になっています。事業承継を検討する段階から、金融機関・税理士・弁護士と連携して保証問題に取り組みましょう。

当ラボでは、経営者保証の解除交渉から事業承継全体の支援まで、専門家が無料でご相談をお受けしています。

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