土地を贈与する方法|手続きの流れと贈与税・登録免許税・不動産取得税を解説

親から子へ、あるいは配偶者へ土地を早めに引き継ぎたいと考えたとき、選択肢のひとつになるのが「生前贈与」です。ただし、土地を贈与する方法にはいくつかの手順があり、贈与税・登録免許税・不動産取得税など複数の税金が関わってきます。本記事では、土地を贈与する具体的な方法と手続きの流れ、かかる税金の種類、利用できる特例や注意点についてわかりやすく解説します。

土地を贈与する方法(手続きの流れ)

土地を贈与する際は、口約束だけで済ませず、次のような手順を踏むことが重要です。

贈与契約書の作成

まず、贈与者(あげる人)と受贈者(もらう人)の間で贈与契約書を作成します。贈与は口頭でも成立しますが、後日のトラブルや税務調査に備え、対象の土地(地番・地目・面積など)、贈与の日付、当事者の署名押印を記載した契約書を残しておくことが大切です。

所有権移転登記(名義変更)

次に、法務局で土地の所有権移転登記(名義変更)を行います。登記をしないまま放置すると、後日の売却や相続の際にトラブルの原因となるため、贈与契約後は早めに登記を済ませることが望ましいです。登記の際には、贈与契約書のほか、贈与者の権利証(登記識別情報)や印鑑証明書、受贈者の住民票などが必要になります。

贈与税の申告

土地の贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までの間に、受贈者が贈与税の申告と納税を行います。年間110万円の基礎控除以下であれば申告は不要ですが、土地の贈与は評価額が高額になりやすいため、通常は申告が必要になるケースが多くなります。

土地の贈与にかかる税金

土地を贈与する場合、主に次の3種類の税金がかかります。

贈与税

贈与税の課税方法には「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあります。暦年課税では、その年に受けた贈与の合計額から基礎控除110万円を差し引いた金額に、贈与税率(10%〜55%の累進税率)を掛けて計算します。相続時精算課税を選択した場合は、2,500万円の特別控除(複数年にわたり使用可能)に加えて、2024年の改正により年110万円の基礎控除も新設されています。ただし、相続時精算課税を選択した贈与財産は、将来の相続時に相続財産へ加算される点に注意が必要です。相続時精算課税制度の詳細については、相続時精算課税制度とは|2024年改正で年110万円の基礎控除が新設もご覧ください。贈与税の課税対象や申告の要否については、国税庁のNo.4402 贈与税がかかる場合もご参照ください。

登録免許税

所有権移転登記の際には登録免許税がかかります。税額は「固定資産税評価額×2.0%」で計算され、相続による登記(0.4%)よりも高い税率が設定されている点が特徴です。土地の評価には固定資産税評価額を用いますが、相続税の計算で使う路線価とは異なる点にも注意が必要です。路線価による土地評価の仕組みについては、令和8年の路線価についての記事で解説しています。

不動産取得税

贈与によって土地を取得した場合、不動産取得税(都道府県税)もかかります。原則の税率は4%ですが、土地については特例により税率が軽減されている場合があります。なお、相続による土地の取得では原則として不動産取得税はかかりません。この点は、贈与と相続で税負担が大きく異なる部分のひとつです。

土地の贈与で利用できる特例

土地の贈与では、状況に応じて次のような特例・制度を活用できる場合があります。相続時精算課税制度を選択すれば、2,500万円までの特別控除を利用しながら早期に土地を移転できます。また、配偶者に居住用不動産(自宅の土地・建物)を贈与する場合は、婚姻期間20年以上を条件に最大2,000万円の控除を受けられる「贈与税の配偶者控除(おしどり贈与)」を利用できる場合もあります。

土地を贈与する際の注意点

土地の贈与を検討する際は、贈与税だけでなく登録免許税・不動産取得税を含めた総コストを事前に把握しておくことが大切です。また、相続時精算課税を選択すると暦年課税に戻せない点や、将来相続が発生した際に贈与財産が相続財産に加算される点にも注意が必要です。名義変更(登記)を先延ばしにすると、贈与の事実の証明が難しくなったり、将来の売却・相続の際に手続きが複雑になったりするおそれもあります。土地の評価額や特例の適用可否は個別の事情によって異なるため、実行前に税理士へ相談することをお勧めします。

土地を贈与する方法のまとめ

土地を贈与する方法は、贈与契約書の作成、所有権移転登記、贈与税の申告という3つのステップで進めます。贈与には贈与税のほか、登録免許税・不動産取得税といった税金が関わり、相続による取得と比べて税負担が大きくなる場合があります。一方で、相続時精算課税制度やおしどり贈与などの特例を活用すれば、税負担を抑えながら早期の資産移転が可能になることもあります。土地の贈与を検討する際は、税金・登記の両面から総合的に判断し、専門家に相談しながら進めることをお勧めします。

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