個人事業主の事業承継|個人版事業承継税制の仕組みと手続き完全ガイド
「個人事業を息子に継がせたいが、設備や土地にかかる贈与税・相続税が心配」「法人化していないと事業承継税制は使えないの?」個人事業主の事業承継も、個人版事業承継税制を活用することで贈与税・相続税の納税猶予・免除が受けられます。この記事では制度の仕組みと活用方法を解説します。
個人版事業承継税制とは
2019年(令和元年)に創設された制度で、個人事業主が事業用資産(設備・機械・土地建物など)を後継者に贈与・相続する際に、贈与税・相続税の100%が納税猶予され、一定条件を満たせば免除される制度です。
個人版 vs 法人版 事業承継税制の比較
| 比較項目 | 個人版(個人事業主) | 法人版(会社) |
|---|---|---|
| 対象資産 | 事業用資産(設備・機械・土地等) | 非上場株式 |
| 猶予割合 | 100% | 100%(特例措置) |
| 申請先 | 都道府県知事 | 都道府県知事 |
| 計画提出期限 | 2024年3月31日まで(予定) | 2027年3月31日まで |
適用要件(先代経営者・後継者)
✅ 主な適用要件
先代経営者(贈与者・被相続人)
- 青色申告の承認を受けていた個人事業主
- 廃業届を提出していること(贈与の場合)
後継者(受贈者・相続人)
- 贈与・相続開始時に18歳以上(令和4年4月以降)
- 同じ事業を引き継いで継続すること
- 青色申告の承認を受けること
- 都道府県知事の「円滑化法認定」を受けること
納税猶予の対象となる資産
個人版事業承継税制の対象となるのは「特定事業用資産」です。
- 土地・建物:事業用に供されているもの(面積・床面積の上限あり)
- 機械・装置、器具・備品:固定資産税評価額があるもの
- 自動車等:事業に使用するもの
- 貨幣・商品等の流動資産:対象外
⚠️ 土地の上限
- 特定事業用資産のうち土地は400㎡までが対象(超過部分は通常課税)
- 建物は800㎡までが対象
手続きの流れ
個人版事業承継税制の手続きフロー
- STEP1:「個人事業承継計画」を作成し、都道府県知事に申請・確認を受ける
- STEP2:事業用資産の贈与・相続を実行
- STEP3:都道府県知事から「円滑化法の認定」を受ける
- STEP4:税務署に贈与税・相続税の申告書と担保を提供して納税猶予
- STEP5:後継者が事業を継続する限り、猶予が継続(最終的に免除)
猶予取り消しになるケース
⛔ こんな場合は猶予が取り消され、利子税とともに納税
- 後継者が事業を廃業した場合
- 特定事業用資産を事業以外の用途で使用・売却した場合
- 毎年の「継続届出書」提出を怠った場合
- 後継者が青色申告の承認を取り消された場合
個人事業主の事業承継で考えるべき選択肢
個人 vs 法人化の比較
| 選択肢 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 個人版税制を活用 | 手続きが比較的シンプル | 対象資産に上限あり |
| 法人化してから法人版税制を活用 | 自社株として承継でき柔軟 | 法人化の手間・コストが発生 |
個人事業主の事業承継は、法人と異なる複雑なルールが適用されます。事業の規模・後継者の状況・資産の種類によって最適な方法が異なるため、専門家への早期相談が重要です。当ラボでは初回無料相談を承っております。個人事業の承継についてお気軽にご相談ください。


