会社の解散・清算と税金|廃業手続きの流れとM&A売却との比較
「後継者がおらず会社を閉めることにした。廃業・解散の手続きと税金はどうなる?」「M&Aで売れなかった場合は廃業しかないのか」会社を解散・清算する際には様々な税務上の問題が発生します。この記事では廃業・解散時の税務と手続きを解説します。
廃業・解散の流れ
会社解散・清算のステップ
- 株主総会の特別決議:解散を決議(2/3以上の賛成が必要)
- 解散登記:法務局に解散の登記申請
- 清算人の選任:財産整理を行う清算人を選任(通常は代表取締役が兼任)
- 債権者への公告・通知:官報に公告(2ヶ月以上)し、債権者を確定
- 財産の換価・債務の弁済:資産を処分して借金を返済
- 残余財産の分配:株主への分配
- 清算結了の登記:法務局に清算完了を登記
解散・清算時の主な税務
⛔ 解散時に発生する税金
| 税目 | 内容 |
|---|---|
| 法人税(清算所得) | 清算時の残余財産が帳簿価額を超えると課税(清算所得課税) |
| 消費税 | 資産の売却(不動産・設備等)に消費税が課税される場合がある |
| みなし配当課税(株主側) | 残余財産の分配が出資額を超える部分はみなし配当として株主に課税 |
| 譲渡所得(株主側) | 出資額を超えない部分は株式の譲渡所得として課税 |
清算時の残余財産と株主への課税
✅ 残余財産分配の課税の仕組み
【例】出資額500万円の会社が清算し、残余財産2,000万円を分配した場合:
- みなし配当:2,000万円 − 500万円(出資額)= 1,500万円(配当所得として課税)
- 株式の譲渡所得:500万円 − 取得費(出資額500万円)= 0円
- みなし配当に対する源泉徴収(20.42%):306万円
廃業 vs M&A:どちらが有利か
廃業 vs M&A売却の比較
| 項目 | 廃業(清算) | M&A売却 |
|---|---|---|
| 従業員の雇用 | 全員解雇(退職金が必要) | 引き継ぎ(雇用維持) |
| 経営者の受取額 | 残余財産のみ | M&A売却代金+退職金 |
| 取引先・顧客 | 全て終了 | 引き継ぎ可能 |
| 税負担 | みなし配当課税あり | 株式譲渡所得(20%) |
→ 一般的にM&A売却の方が経営者・従業員ともに有利なケースが多い
廃業前に検討すべきこと
- 役員退職金の支給:解散前に役員退職金を支給し、会社の財産を減らしてから清算
- M&Aの可能性を探る:廃業を決める前に第三者への売却を検討(経営資源の有効活用)
- 債務超過の場合は破産も検討:負債が資産を大幅に超える場合は特別清算・破産手続きが必要になることがある
会社の廃業・解散は複雑な税務・法務手続きが伴います。廃業を決める前に、M&Aの可能性も含めて専門家に相談することをお勧めします。当ラボでは初回無料相談で廃業・M&Aの比較検討から最適なご提案をします。

