相続した空き家はどうする? 売却・賃貸・解体の3つの選択肢を比較
相続した実家に誰も住まなくなり、空き家のまま何年も放置している——そうしたケースは全国的に増えています。空き家は放置するほど資産価値が下がり、管理責任も重くなります。ここでは、相続した空き家の主な選択肢である売却・賃貸・解体を比較し、判断のポイントを解説します。
空き家を放置するリスク
空き家は人が住まなくなると急速に老朽化が進み、雨漏りやシロアリ被害、庭木の繁茂などの問題が生じやすくなります。適切な管理がされていない空き家は、自治体から「特定空家等」に指定されることがあり、指定されると固定資産税の住宅用地特例(最大6分の1の軽減)が外れ、税負担が大幅に増える可能性があります。近隣への倒壊や景観の悪化といったトラブルにつながるリスクもあるため、早めに方針を決めることが重要です。
選択肢1: 売却する
維持管理の負担をなくし、まとまった資金を得たい場合は売却が有力な選択肢です。要件を満たせば「相続空き家の3,000万円特別控除」を使え、譲渡所得税の負担を大きく抑えられる可能性があります。ただし、老朽化が進んだ家屋は買い手がつきにくいこともあり、更地にしてから売却したほうが早く売れるケースもあります。
選択肢2: 賃貸に出す
立地条件が良い空き家であれば、リフォームして賃貸に出し、家賃収入を得るという選択肢もあります。手放さずに済む一方、リフォーム費用の負担や、入居者とのトラブル対応、空室リスクなど、貸主としての手間とコストがかかります。周辺の賃貸需要を事前にリサーチしておくことが欠かせません。
選択肢3: 解体する
老朽化が激しく、売却も賃貸も難しい場合は、解体して更地にするという選択肢もあります。更地にすると土地としては売却しやすくなりますが、住宅が建っていることで受けられる固定資産税の住宅用地特例が外れるため、解体後は固定資産税が上がる点に注意が必要です。解体費用は建物の構造や広さによって異なりますが、木造住宅で100万円〜200万円程度が目安とされています。
3つの選択肢を比較する視点
- 家屋の老朽化の程度と、リフォーム・修繕にかかる費用
- 周辺エリアの売却相場・賃貸需要
- 相続空き家の3,000万円特別控除など、使える税制優遇と期限
- 解体後の固定資産税の増加分と、更地での売りやすさのバランス
自治体の空き家バンクや補助金も確認を
自治体によっては、空き家の売却・賃貸を仲介する「空き家バンク」制度や、解体費用・リフォーム費用の一部を補助する制度を設けていることがあります。実家がある自治体のウェブサイトや窓口で、利用できる制度がないか確認しておくと、費用負担を抑えられる場合があります。
よくある質問
Q. 空き家を放置しているだけで罰則を受けることはありますか?
空き家を放置していること自体に直接の罰則はありませんが、倒壊のおそれがあるなど危険な状態と判断され「特定空家等」に指定されると、自治体から改善の助言・指導・勧告・命令を受けることがあり、命令に従わない場合は行政代執行によって強制的に解体され、費用を請求されることもあります。また相続登記(名義変更)自体は義務化されているため、名義変更をしないまま放置すると別途過料の対象になる可能性があります。
Q. 解体費用が用意できない場合はどうすればよいですか?
自治体の解体費用補助制度が使えないか確認するほか、家屋を解体せずに古家付きのまま売却する、買主が解体を前提に土地として購入する条件で売りに出すといった方法もあります。不動産会社に相談し、地域の実情に合った売り方を検討してみましょう。
Q. 空き家バンクとはどのような制度ですか?
空き家バンクは、自治体が空き家の所有者と、購入・賃借を希望する人をマッチングする制度です。一般の不動産市場では買い手がつきにくい地方の空き家でも、移住希望者などとのマッチングによって活用先が見つかることがあります。自治体によって制度の有無や内容が異なるため、実家のある自治体に確認してみるとよいでしょう。
まとめ
相続した空き家は、放置するほど資産価値の低下や税負担の増加といったリスクが高まります。売却・賃貸・解体それぞれのメリット・デメリットと、使える税制優遇や自治体の制度を確認したうえで、早めに方針を決めることをおすすめします。


