確定申告の税理士報酬相場について|依頼内容別の目安と税理士選び方のポイント
毎年2月中旬から3月中旬にかけて行われる確定申告。給与所得者以外の方や、不動産収入・副業収入のある方、相続が発生した方などは確定申告が必要となります。「自分で確定申告をするのが難しい」「時間がない」という場合、税理士に依頼するのが一つの選択肢ですが、気になるのはその費用・報酬の相場です。本記事では、確定申告の税理士報酬の相場について、依頼内容別に詳しく解説します。
確定申告を税理士に依頼するメリット
確定申告を税理士に依頼する主なメリットは、正確な申告ができること、節税のアドバイスが受けられること、手間と時間の節約になること、税務調査への対応を任せられることなどが挙げられます。特に、事業所得や不動産所得が複雑な方、相続税申告後の準確定申告が必要な方、青色申告を利用したい方などは、税理士への依頼を検討する価値があります。税理士が確定申告書を作成することで、適切な控除を漏れなく適用し、余分な納税を防ぐことができます。また、もし将来税務調査が入った場合にも、税理士が対応の窓口となってくれます。
確定申告の税理士報酬の相場
税理士報酬は税理士によって異なりますが、おおよその相場を依頼内容別に解説します。なお、消費税込みの金額か別途かは事務所によって異なりますので、事前に確認しましょう。
給与所得のみの確定申告(医療費控除・ふるさと納税等)
給与所得のみで医療費控除やふるさと納税の還付申告などシンプルな内容の場合、相場は1万円〜3万円程度です。年末調整で処理できなかった控除の申告など比較的単純な内容の場合は費用が抑えられますが、証明書類の整理や資料準備はご自身でしっかり行う必要があります。なお、医療費控除のみであれば国税庁のe-Taxで比較的簡単に申告できるため、自身で行うことも検討してみましょう。
不動産所得がある場合の確定申告
不動産収入(家賃収入等)がある方の確定申告の報酬相場は、物件数や収入規模によって異なりますが、おおよそ5万円〜20万円程度が目安です。物件数が少なく単純な収支であれば5万円〜8万円程度、複数物件を所有しており収支管理が複雑な場合は10万円〜20万円以上かかることもあります。また、青色申告を選択している場合は複式簿記の記帳が必要となるため、記帳代行も依頼すると費用が加算されます。記帳代行の相場は月額5,000円〜1万5,000円程度です。
事業所得がある場合の確定申告(個人事業主・フリーランス)
個人事業主やフリーランスの方が確定申告を税理士に依頼する場合の報酬相場は、売上規模や業務の複雑さによって大きく異なります。売上1,000万円未満の規模であれば、年間10万円〜30万円程度が一般的な目安です。売上が大きくなるほど、また経費の種類や取引件数が多いほど費用は上がります。顧問契約を結ぶ場合は、月額1万円〜3万円程度のケースが多く、年間の確定申告料金と合わせると年間20万円〜50万円程度になることが一般的です。顧問契約を結ぶことで、年間を通じて経営上の相談ができるというメリットがあります。
相続税の準確定申告
被相続人(亡くなった方)が事業所得や不動産所得を持っていた場合、相続発生後4か月以内に準確定申告が必要です。この準確定申告を税理士に依頼する場合の費用は、5万円〜15万円程度が相場です。相続税申告と一緒に依頼する場合は、セット割引になることも多いため、相続税申告を依頼した税理士に確認してみましょう。
株式・投資の確定申告(譲渡所得・配当所得)
株式の売買益(譲渡所得)や配当所得がある場合の確定申告の報酬相場は、3万円〜10万円程度が目安です。特定口座(源泉徴収あり)のみであれば申告は不要ですが、損益通算や繰越控除を行いたい場合は申告が必要です。複数の証券会社を利用している場合や、FX・先物取引なども含まれる場合は、計算が複雑になるため費用が高くなる傾向があります。
税理士報酬が高くなるケース
以下のようなケースでは税理士報酬が相場より高くなる傾向があります。まず、収入の種類が多い場合(給与所得+事業所得+不動産所得など複数の所得がある場合)は、申告書の作成が複雑になるため費用が増加します。次に、取引件数が多い場合(多数の証券取引や多数の不動産物件を持っている場合など)も同様です。また、過去の申告の修正や更正が必要な場合は追加費用が発生することがあります。さらに、急ぎで依頼した場合は特急料金が加算されることもあります。
費用を抑えるためのポイント
税理士への依頼費用を抑えるためには、いくつかのポイントがあります。一つ目は、領収書や通帳の整理など、事前に資料を整理しておくことです。資料が整っていれば税理士の作業時間が短縮でき、費用の節約につながります。二つ目は、クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワード等)を自分で利用して帳簿をつけておくことです。記帳代行費用が不要になるか、大幅に削減できます。三つ目は、複数の税理士事務所に見積もりを取ることです。税理士報酬には上限規定がないため、事務所によって大きな差があることがあります。オンラインで対応している税理士は、人件費・オフィスコストが低い分、報酬が抑えられていることも多いです。
良い税理士の選び方
専門分野の確認
税理士にはそれぞれ得意分野があります。相続税に強い税理士、法人税に強い税理士、不動産に詳しい税理士など、依頼内容に合った専門性を持つ税理士を選ぶことが重要です。たとえば、不動産収入の申告が必要な場合は、不動産に詳しい税理士に依頼することで、適切な経費計上や節税策のアドバイスを受けられる可能性が高まります。
初回相談の活用
多くの税理士事務所では初回相談を無料で受け付けています。実際に相談してみることで、相性や対応の丁寧さ、説明のわかりやすさなどを確認することができます。また、具体的な費用の見積もりも取ることができます。複数の事務所で初回相談を行い、比較検討することをお勧めします。
コミュニケーションの確認
確定申告に関する質問や相談に迅速かつ丁寧に対応してもらえるかどうかは、税理士選びの重要な判断材料です。メールや電話での対応が早い、オンラインビデオ会議に対応しているなど、コミュニケーションの取りやすさも重要なポイントです。特に、毎年継続して依頼する場合は、長期的な関係を築けるかどうかも考慮しましょう。
まとめ
確定申告の税理士報酬は、依頼内容の複雑さや規模によって大きく異なります。シンプルな内容であれば1万円〜3万円程度から、不動産所得・事業所得があれば5万円〜20万円以上が相場の目安です。費用を節約するためには、事前の資料整理やクラウド会計の活用が効果的です。税理士選びにあたっては、専門分野・費用・コミュニケーションのしやすさなどを総合的に判断することが重要です。確定申告でお困りの方は、まずは税理士への相談から始めてみてはいかがでしょうか。


