ジュニアNISA(子供NISA)とは|仕組み・非課税メリット・相続・廃止後の出口戦略を解説

ジュニアNISA(子供NISA)とは

ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)とは、0歳から17歳の未成年者を対象に、年間80万円までの投資について、株式・投資信託などの運用益(配当金・譲渡益)が非課税になる制度です。2016年に創設されましたが、利用が低調だったことから2023年末で新規口座開設・新規投資が終了(廃止)となりました。

廃止後も、2023年末までに投資した資金は、口座名義人が18歳になるまで非課税で保有し続けることができます。また、廃止に伴う特例措置として、2024年以降は年齢に関係なくいつでも払い出し(非課税での引き出し)が可能になりました。

ジュニアNISAの基本的な仕組み

ジュニアNISAの主な特徴は以下の通りです。

口座開設者・管理者

口座名義人は0歳〜17歳の未成年者本人ですが、実際の口座管理は親権者(父または母)が行います。口座の開設・売買の指図なども、親権者または祖父母などの「口座管理者」が行います。

非課税投資枠

年間80万円が非課税投資枠であり(2023年末まで)、最大5年間で400万円分の投資が非課税枠内に収まります。ロールオーバー(翌年への繰り越し)も可能でした。

投資対象

上場株式・ETF(上場投資信託)・公募株式投資信託・REITなどが投資対象です。通常のNISAと同様、国内外の株式・投資信託を購入できます。

廃止後の非課税継続保有

2024年以降は新規投資はできませんが、2023年末時点でジュニアNISA口座にある資産は、非課税のまま保有し続けることができます。払い出しについては、2024年以降は年齢・理由を問わずいつでも可能になりました(廃止に伴う特例)。

2024年以降の払い出しと手続き

ジュニアNISA廃止の経過措置として、2024年1月1日以降はジュニアNISA口座からの払い出しが自由になりました。以下の点に注意が必要です。

払い出しの際、売却して現金化する方法と、成人NISA口座(新NISA)へ移管する方法があります。売却する場合は売却益が非課税のまま受け取れます。なお、2024年からスタートした新NISAへの移管については、証券会社ごとに手続きが異なるため、口座を持つ金融機関に確認が必要です。

また、口座名義人が18歳になった年の1月1日以降は、ジュニアNISA口座に残っている資産を新NISAの成長投資枠・つみたて投資枠に移管することができます(移管額は新NISAの年間投資枠の範囲内)。

ジュニアNISAと相続・贈与の関係

ジュニアNISAは子供や孫への資産移転(生前贈与)の手段としても注目されていました。以下に、相続・贈与との主な関係を解説します。

ジュニアNISAへの資金拠出と贈与税

ジュニアNISAへの資金拠出は、原則として親や祖父母から子・孫への贈与に当たります。年間80万円までの拠出であれば、暦年贈与の基礎控除(年間110万円)の範囲内に収まるため、贈与税は原則かかりません。ただし、他の贈与と合算して110万円を超える場合は、超過分に贈与税が課されます。

ジュニアNISA口座の相続

ジュニアNISA口座の名義人(子・孫)が死亡した場合、口座内の資産は相続財産となります。相続発生時点の評価額(株式等の時価)が相続税の課税対象となります。なお、非課税枠はあくまでも「運用益・配当益」に対するものであり、元本部分も含めた資産全体が相続財産として評価されます。

親(口座管理者)が死亡した場合

親権者(口座管理者)が死亡した場合、ジュニアNISA口座の管理者が変わる手続きが必要です。口座名義人の子供が未成年のままであれば、新たな親権者または未成年後見人が管理者となります。口座内の資産自体は子供(名義人)のものであるため、親の相続財産には含まれません。

祖父母から孫への拠出と生前贈与加算

祖父母がジュニアNISAに拠出した資金は、原則として孫(受贈者)への贈与です。孫は法定相続人でない場合が多いため、生前贈与加算の対象外となることがほとんどです(ただし、代襲相続人である孫や遺言により遺贈を受けた場合は対象)。この点で、孫のジュニアNISAへの資金拠出は相続税対策としても有効です。

2024年からの新NISAとの関係

2024年からスタートした新NISAは、18歳以上を対象とした制度です。ジュニアNISAとは別の制度であり、ジュニアNISAが廃止された後の子供向けの投資手段としては、新NISAを活用する方法が主流になっています。

新NISAの主な特徴は、年間投資枠が最大360万円(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円)で、生涯を通じた非課税保有限度額が1,800万円です。また、非課税保有期間が無期限となりました。子供が18歳になった時点で、ジュニアNISAの資産を新NISAに移管しながら継続的に投資を続けることができます。

ジュニアNISAを活用した相続・贈与対策のポイント

ジュニアNISAを生前贈与・相続対策として活用する場合のポイントをまとめます。

まず、年間110万円の暦年贈与の基礎控除を活用しながら、ジュニアNISAに資金を拠出することで、非課税で資産を子・孫に移転できます。次に、ジュニアNISA内での運用益(値上がり益・配当金)は非課税であるため、長期的な複利効果が期待できます。また、孫へのジュニアNISAへの拠出は、原則として生前贈与加算の対象外となるため、相続税対策として効果的です。

ただし、2023年末にジュニアNISAは廃止されているため、現在は新規拠出ができません。現在口座を保有している場合は、非課税保有の継続または払い出しを行うことになります。

まとめ

ジュニアNISAは2023年末で廃止されましたが、既存の口座については2024年以降も非課税での保有が継続できます。また、廃止に伴い年齢・理由を問わずいつでも払い出しが可能になりました。相続・贈与の観点からは、ジュニアNISAへの資金拠出は贈与税の基礎控除を活用した生前贈与として機能し、孫への資産移転においては相続税対策としても有効でした。今後は18歳以上を対象とした新NISAを活用した資産形成・相続対策が中心となっていきます。

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