亡くなった人の準確定申告とは?手続きの流れ・期限・必要書類を解説
亡くなった人(被相続人)が生前に所得を得ていた場合、相続人がその人の代わりに所得税の確定申告を行う必要があります。これを「準確定申告」といいます。通常の確定申告とは異なる点が多く、期限も短いため、早めの対応が重要です。本記事では、準確定申告の概要・対象者・手続きの流れ・注意点をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
この記事でわかること
✅ 準確定申告が必要な人・不要な人
✅ 申告期限(相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内)
✅ 準確定申告の手続きの流れと必要書類
✅ 医療費控除・社会保険料控除など各種控除の扱い
✅ 還付金が発生した場合の取り扱い
準確定申告とは
準確定申告とは、年の途中で死亡した人の1月1日から死亡日までの所得について、相続人(または包括受遺者)が代わりに行う所得税の確定申告です(所得税法第125条)。
通常の確定申告は翌年2月16日〜3月15日に本人が行いますが、年の途中で亡くなった場合はその期限まで待てないため、相続開始後4ヶ月という短い期限が設けられています。
準確定申告が必要なケース
被相続人が以下のいずれかに該当する場合、準確定申告が必要です。
- 事業所得・不動産所得・山林所得があった(個人事業主・大家さんなど)
- 給与収入が2,000万円超だった
- 2カ所以上から給与をもらっていた
- 給与以外の所得(副業・株式譲渡・不動産売却など)が20万円超あった
- 同族会社の役員で、会社から貸付金の利子や家賃などを受け取っていた
- 医療費控除・雑損控除などの各種控除の適用を受けて還付を受けたい場合
準確定申告が不要なケース
- 1カ所からのみ給与をもらっており、年末調整が完了していた
- 公的年金の収入のみで、公的年金等の収入金額が400万円以下かつ他の所得が20万円以下
- 所得がなかった(専業主婦・専業主夫など)
準確定申告の期限
準確定申告の申告・納税の期限は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人の死亡を知った日)の翌日から4ヶ月以内です(所得税法第125条)。
例えば、2024年6月15日に被相続人が死亡した場合、同日を知った相続人は2024年10月15日までに準確定申告を行う必要があります。通常の確定申告(翌年3月15日)より大幅に早い期限であることに注意が必要です。
準確定申告の手続きの流れ
- 申告の要否確認:被相続人の収入・所得の種類を確認し、申告が必要かどうかを判断します。
- 所得・控除の集計:1月1日から死亡日までの所得(給与・事業・年金・不動産等)と控除(医療費・社会保険料・生命保険料等)を集計します。
- 申告書の作成:準確定申告書(所得税及び復興特別所得税の確定申告書)に「準確定」と付記して作成します。国税庁の確定申告書等作成コーナーでも作成可能です。
- 相続人全員の連署・各自申告:相続人が複数いる場合、原則として相続人全員が連署した準確定申告書を提出します(各相続人が個別に申告することも可能)。
- 税務署への提出・納税:被相続人の死亡時の住所地を管轄する税務署に提出します。税額がある場合は4ヶ月以内に納付します。
準確定申告における控除の取り扱い
医療費控除
死亡日までに支払った医療費が対象です。死亡後に支払った医療費は対象外ですが、相続債務として相続税の計算で控除できます。
生命保険料控除・地震保険料控除
死亡日までに支払った保険料が対象です。年払いで死亡後の期間分を含む場合でも、死亡日までに支払った全額が控除対象となります。
社会保険料控除・配偶者控除・扶養控除
社会保険料は死亡日までに支払った分が対象です。配偶者控除・扶養控除は、死亡日現在の状況で判断します。
還付金が発生した場合
準確定申告の結果、還付金が生じる場合があります。還付金は相続財産となり、相続税の対象となります。還付金の受け取りには「還付金等振込依頼書」の提出が必要で、相続人の口座に振り込まれます。
まとめ
準確定申告は、亡くなった方の所得に対する所得税申告で、相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内という短い期限が設けられています。個人事業主・不動産オーナー・複数の収入源を持っていた方の相続では特に注意が必要です。準確定申告が必要かどうかの判断や申告書の作成については、税理士に早めにご相談ください。相続・事業承継ラボでも準確定申告のご相談を承っております。


