相続人がいない場合はどうなる?特別縁故者・相続土地国庫帰属制度を解説
「身寄りのない叔父が亡くなったが、誰が財産を受け取るの?」「相続人がいない場合、財産はどうなるのか知りたい」相続人がいない・相続人全員が相続放棄した場合、財産は最終的に国に帰属します。ただしその前に「特別縁故者」への財産分与という手続きがあります。この記事で詳しく解説します。
相続人がいない場合の財産の行方
財産が国庫に帰属するまでの流れ
- 相続人の不存在が確定(全員相続放棄 または 相続人がもともといない)
- 相続財産管理人の選任(利害関係人または検察官の申立てにより家庭裁判所が選任)
- 債権者・受遺者への弁済(相続財産から負債を支払う)
- 特別縁故者への財産分与申立て(申立期間:相続人不存在確定から3ヶ月以内)
- 残余財産が国庫へ帰属
特別縁故者とは
特別縁故者とは、相続人ではないものの、被相続人と特別に親密な関係にあった人のことです。家庭裁判所に申立てを行うことで、相続財産の一部または全部を受け取ることができます。
✅ 特別縁故者として認められやすいケース
- 被相続人と長年同居して生活を共にしていた内縁の配偶者
- 被相続人の療養看護に努めた人(ヘルパー・近隣住民等)
- 被相続人と特別に親密な関係にあった友人・知人
- 被相続人が設立した法人・団体(一定の条件あり)
特別縁故者への財産分与の手続き
- 申立先:被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所
- 申立期限:相続人がいないことが確定した日から3ヶ月以内(この期間を過ぎると申立不可)
- 必要書類:申立書・被相続人との関係を証明する書類(住民票・写真・日記等)
- 分与額:裁判所が事情を考慮して決定。全額とは限らない
2023年施行:相続土地国庫帰属制度
2023年4月から、相続等で取得した不要な土地を国に引き渡せる「相続土地国庫帰属制度」が施行されました。従来は相続放棄すると他の財産も放棄しなければならなかったため、使いにくい土地だけを手放すことが難しかったですが、この制度により土地のみ国庫に帰属させることが可能になりました。
⚠️ 相続土地国庫帰属制度の要件・費用
- 申請先:法務局(土地の所在地を管轄する法務局)
- 審査費用:14,000円(申請時)
- 負担金:土地の面積・種類により異なるが、10年分の土地管理費相当額を一括納付(最低20万円〜)
- 対象外土地:建物がある土地・担保権が設定されている土地・境界が不明な土地・汚染土地等は対象外
相続放棄と特別縁故者・国庫帰属の関係
状況別の対応フロー
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 財産より借金が多い | 相続放棄(3ヶ月以内) |
| 不要な土地だけ手放したい | 相続土地国庫帰属制度を利用 |
| 内縁配偶者として財産を受け取りたい | 特別縁故者への財産分与を申立 |
| 財産を特定の人・団体に残したい | 遺言書で遺贈先を指定(生前対策) |
身寄りのない方の相続や、相続人全員が相続放棄したケースでは手続きが複雑になります。内縁のパートナーや長年支えてくれた方に財産を残したい場合は、生前に遺言書を作成することが最も確実な方法です。当ラボでは初回無料相談を承っております。

