前妻の子 vs 後妻──小川家の「令和版・家族の仁義なき戦い」

※本記事は、相続で起こりやすいトラブルを分かりやすく解説するための架空事例です。実在の人物・団体・事案とは関係ありません。

「あなたが誰かは知ってます。でも、会ったこともないですよね?」

小川雄一(享年74歳)は、30年前に離婚し、20年前に再婚した。前妻との間に息子・翔(42歳)、後妻・由美子(65歳)との間に娘・愛(35歳)がいる。

葬儀の場で、翔と由美子は初めて「正式に」向き合った。

「はじめまして、息子の翔です」
「……ええ、存じております」

この二人が、これから遺産を巡って交渉しなければならない。

法定相続分はこうなる

相続人法定相続分
後妻・由美子1/2
長男・翔(前妻の子)1/4
長女・愛(後妻の子)1/4

翔には法律上、正当な相続権があります。前妻との子も、後妻との子も、法定相続分は同じです(民法900条)。

三者の思惑、入り乱れる

後妻・由美子の本音:「20年間、夫を支えてきたのは私。息子とは言え、ほぼ他人の翔さんに1/4も渡すなんて……」

翔の本音:「父とはほとんど会えなかったけど、法的な相続権はある。もらうものはもらいたい」

娘・愛の本音:「お父さんの遺産を知らない人と分けるの……なんか複雑」

再婚家庭こそ「生前対策」が不可欠

✅ 対策①:遺言書で意思を明確にする

「後妻に多く残したい」「前妻の子にも相応の金額を」という意思を遺言書に書いておけば、協議の出発点が変わります。ただし遺留分は保障されるため、完全に排除はできません。

✅ 対策②:生命保険で「遺留分対策」を

後妻を受取人にした生命保険に加入しておけば、保険金は相続財産に含まれません(特定受取人指定の場合)。これにより後妻への財産移転を遺留分の対象外にできます。

✅ 対策③:生前に全員で話し合う

「気まずい」で先延ばしにしても、解決しません。父が元気なうちに、翔・由美子・愛の三者で「父の意向」を共有しておくことが、最大のトラブル防止策です。

小川家のその後

翔は法定相続分の現金を受け取り、後妻と娘は自宅と残りの預金を相続。「感情的な対立はあったが、法律通りに決着した」という形になりました。翔と愛は、その後SNSでつながったそうです(複雑)。

まとめ:再婚家庭の相続は「設計」が9割

  • 前妻の子も後妻の子も、法定相続分は平等
  • 再婚家庭では、遺言書+生命保険の組み合わせが特に重要
  • 「気まずいから話せない」が最大の失敗原因

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