相続税の延納・物納とは?要件・手続き・選択ポイントを徹底解説

「相続税の納税期限が迫っているのに現金が足りない。不動産しか財産がない場合はどうすれば?」——相続税は原則として現金一括払いですが、現金での納付が困難な場合は延納(分割払い)や物納(財産で納める)という特別な方法があります。この記事では、延納・物納の具体的な手続きと要件を詳しく解説します。

相続税の納税方法:3つの選択肢

【相続税の3つの納税方法】

💴 ①現金一括納付:申告期限(相続開始から10ヶ月)までに全額現金で納付。最も基本的な方法
📅 ②延納:一定の要件を満たす場合、最長20年間の分割払いが可能
🏠 ③物納:金銭での納付が困難な場合、不動産・有価証券等の財産で納付

延納とは:分割払いの仕組み

延納とは、相続税を分割で納付できる制度です。利子税がかかりますが、一括払いが難しい場合の重要な選択肢です。

【延納の要件】

✅ 相続税額が10万円を超えること
✅ 金銭で一括納付することが困難な事由があること
✅ 申告期限までに延納申請書・担保提供書を提出すること
✅ 延納税額に見合う担保(不動産・有価証券等)を提供すること

【延納期間の上限】
・不動産等の割合が75%以上:最長20年
・不動産等の割合が50%以上75%未満:最長15年
・その他(動産・現金等が中心):最長5年

延納の利子税率

【延納利子税率の目安(令和6年現在)】
区分 本来の利子税率(年) 特例割合(実際)
不動産等に係る相続税(20年) 3.6% 0.4%程度
動産等に係る相続税(10年) 5.4% 0.6%程度
一般動産・その他(5年) 6.0% 0.7%程度
※ 特例割合は年ごとに変動します

物納とは:財産そのものを納める仕組み

物納とは、相続税を金銭で納付することが困難な場合に、相続財産そのもの(不動産・有価証券等)を国に引き渡すことで納税する制度です。

【物納の要件】

✅ 延納によっても金銭での納付が困難であること(延納が前提)
✅ 申告期限までに物納申請書・物納財産目録等を提出すること
✅ 物納に充てる財産が「管理・処分適格財産」であること

【物納できる財産の優先順位】
第1順位:不動産・船舶・国債・地方債・上場株式等
第2順位:非上場株式・非上場社債等
第3順位:動産(美術品・貴金属等)

物納できない財産(管理・処分不適格)

【物納が認められない財産の例】

❌ 権利関係が複雑な不動産(係争中・共有持分で分割困難等)
❌ 抵当権等の担保権が設定されている不動産
❌ 境界が確定していない土地
❌ 土壌汚染・地下埋設物がある土地
❌ 法令違反の建物が建っている土地
❌ 農地(農業委員会の許可が得られない場合)

延納・物納の申請手続きの流れ

【申請の流れ】

STEP1:相続税申告書の提出と同時に延納(または物納)申請書を提出
STEP2:税務署による審査(3ヶ月以内に許可・却下が通知される)
STEP3:担保の提供(延納の場合)または財産の引き渡し(物納の場合)
STEP4:延納は分割で納税開始。物納は財産の所有権が国に移転して完了

⚠️ 申請期限は相続税の申告期限(相続開始から10ヶ月)と同じ

延納・物納の選択ポイント

【延納 vs 物納:どちらを選ぶ?】
状況 おすすめ
将来的に現金収入の見込みがある 延納(分割払いで解決)
不要な不動産があり、手放してもよい 物納(その不動産で納税)
不動産を売却して納税したい 売却後に現金納付(物納より売却益が出る場合)

まとめ

相続税の延納・物納は、現金での一括納付が難しい場合の重要な選択肢です。ただし、要件や手続きが複雑で、申告期限内に申請する必要があります。相続税の納税方法は早めに検討し、専門家とともに最適な方法を選びましょう。

当ラボでは、延納・物納の申請から相続税対策全般まで、専門家が無料でご相談をお受けしています。

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です