貸家建付地の相続税評価と節税効果|アパート建設で評価額はどのくらい下がる?
「アパートを建てれば相続税が安くなると聞いたが、どのくらい安くなる?」「貸家建付地の評価方法が分からない」賃貸不動産を保有すると相続税評価額が下がり、節税効果があります。この記事では貸家建付地の評価計算と、節税効果の具体的な数字を解説します。
貸家建付地とは
貸家建付地とは、賃貸用建物(アパート・賃貸マンション等)の敷地のことです。自己使用の土地(自用地)と比べ、借家人が使用する権利(借家権)が設定されているため、相続税評価額が下がります。
貸家建付地の評価式
貸家建付地評価額 = 自用地評価額 × (1 − 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
用語の説明:
- 自用地評価額:路線価 × 地積(㎡)
- 借地権割合:路線価図の記号(A=90%〜G=30%)で確認。都市部は60〜70%が多い
- 借家権割合:全国一律30%
- 賃貸割合:賃貸中の床面積 ÷ 全床面積(満室なら100%)
計算例:都市部のアパート敷地
✅ 貸家建付地の節税シミュレーション
- 路線価:40万円/㎡、地積:200㎡
- 自用地評価額:40万円 × 200㎡ = 8,000万円
- 借地権割合:60%、借家権割合:30%、賃貸割合:100%(満室)
- 貸家建付地評価額:8,000万円 × (1 − 0.6 × 0.3 × 1.0)
- = 8,000万円 × 0.82 = 6,560万円
- 評価減:▲1,440万円(約18%減)
建物(貸家)の評価減も加わる
敷地だけでなく、賃貸建物(貸家)の評価も下がります。
貸家の評価式
貸家評価額 = 固定資産税評価額 × (1 − 借家権割合 × 賃貸割合)
借家権割合30%・満室の場合:固定資産税評価額 × 0.7(30%減)
小規模宅地の特例との併用
貸家建付地は「貸付事業用宅地等」として小規模宅地の特例(200㎡まで50%減額)の対象にもなります。貸家建付地評価と合わせると大幅な評価減が実現できます。
✅ 合算した節税効果
- 自用地評価額:8,000万円
- 貸家建付地評価(▲18%):6,560万円
- さらに小規模宅地の特例(▲50%、200㎡まで):3,280万円
- 最終評価額:3,280万円(元の評価から▲59%)
「相続直前にアパートを建てる」リスク
⛔ 相続直前の節税目的アパート建設の問題点
- 空室リスク:賃貸割合が下がると評価減効果が薄れる
- 建築コスト:借入金が増え、経営が悪化するリスク
- 税務否認リスク:過度に節税目的の場合、税務上問題になることがある
- 管理の手間:入居者管理・修繕対応等のランニングコスト
アパート建設の節税効果が出やすいケース
- 都市部(借地権割合が高い地域)の土地を持っている
- 賃貸需要が安定しており、高稼働率が維持できる
- 自己資金またはキャッシュフローが良好な借入で建築できる
- 相続まで10年以上の余裕がある(節税効果を十分に享受できる)
貸家建付地の節税効果は大きいですが、不動産投資としての収益性・リスクも含めて総合的に判断することが重要です。「税金が安くなるから」だけでアパートを建てると、経営リスクを負うことになります。当ラボでは初回無料相談で貸家建付地の評価シミュレーションと事業計画の両面からアドバイスしております。

