事業承継・M&Aに関するよくある質問(FAQ)15選|後継者・売却価格・税制・補助金を一問一答で解説
事業承継・M&Aについてご相談をいただく中で、経営者の方から特によく寄せられる質問をQ&A形式でまとめました。「まだ先の話」と思っている方こそ、ぜひ早めにご確認ください。
事業承継の基本に関するよくある質問
Q1. 事業承継はいつから準備を始めればいいですか?
A. 中小企業庁は「60代になったら遅くとも準備を始めるべき」と推奨しており、理想は承継の5〜10年前からです。後継者の育成・株式の計画的な移転・財務体質の改善には時間が必要なため、早ければ早いほど選択肢が広がります。「まだ早い」と思っているうちに準備を始めることが成功への近道です。
Q2. 後継者が見つからない場合、M&A以外に選択肢はありますか?
A. 主な選択肢として①役員・従業員承継(MBO):信頼できる幹部に承継する、②事業の一部譲渡:特定の事業だけを他社に売却する、③フランチャイズ化:ノウハウをFC展開して存続させる、④廃業があります。廃業は最終手段であり、M&Aで買い手が見つかる可能性を十分に探ってから判断することをおすすめします。
Q3. 事業承継税制の特例措置の申請期限はいつですか?
A. 2027年3月31日までに都道府県に「特例承継計画」を提出する必要があります。この期限を過ぎると、贈与税・相続税の100%猶予という強力な特例が使えなくなり、一般措置(80%猶予)のみとなります。計画書の作成自体は数ヶ月で完了できるため、今すぐ着手することをおすすめします。
Q4. 事業承継税制を使った後にM&Aで会社を売ることはできますか?
A. 事業承継税制の適用後にM&Aを行うと、猶予されていた税金と利子税を一括納付しなければなりません。ただし「免除事由」に該当する場合(会社が倒産した場合など)は免除されます。M&Aを将来的に検討している場合は、事業承継税制との組み合わせについて税理士に事前に確認することが重要です。
Q5. 後継者が決まったが、どうやって経営権を移せばいいですか?
A. 経営権の移転は主に①株式の移転(贈与・売買・相続)②代表取締役の交代(登記)③重要な契約・許認可の承継の3つを組み合わせて行います。株式と代表権は別々に移転できるため、段階的に権限を委譲しながら承継を進めることが一般的です。
M&Aに関するよくある質問
Q6. 赤字の会社でもM&Aはできますか?
A. 赤字でもM&Aは可能ですが、売却価格は大幅に下がるか、買い手が見つかりにくくなります。ただし独自の技術・ブランド・顧客基盤・許認可・優良な人材などの「非財務的な価値」があれば、赤字でも買い手が現れることがあります。まず専門家に企業価値を評価してもらうことをおすすめします。
Q7. M&Aで会社を売ると、従業員はどうなりますか?
A. 株式譲渡の場合、法人格・雇用契約はそのまま引き継がれます。従業員の雇用維持は交渉条件として売り手が強く求めることができ、買い手もこれを受け入れるケースが多いです。ただし、承継後に組織再編で役職が変わる可能性はあります。雇用維持の条件は最終契約書に明記することをおすすめします。
Q8. M&Aの相談をすると、会社の情報が漏れませんか?
A. M&A仲介会社・アドバイザーとは最初に秘密保持契約(NDA)を締結します。買い手候補への情報開示も段階的に行い、最初は会社名を伏せた「ノンネームシート」から始めます。信頼できるアドバイザーを選ぶことが情報漏洩リスクを最小化する最善策です。
Q9. M&Aの売却価格はどうやって決まりますか?
A. 最もよく使われる指標はEBITDA(営業利益+減価償却費)の3〜6倍です。業種・成長性・顧客基盤・リスクの少なさによってマルチプルが変わります。不動産・設備などの資産が多い場合は純資産価額も参考にします。最終的な価格は買い手との交渉で決まります。
Q10. M&Aで得た売却益には税金がかかりますか?
A. 個人オーナーが株式を売却した場合、売却益(譲渡所得)に対して約20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%)が課税されます。会社として株式を売却する場合は法人税が適用されます。節税策(株式の取得費の把握・税制の活用など)については税理士に事前に相談することをおすすめします。
自社株・後継者に関するよくある質問
Q11. 自社株の評価額が高すぎて後継者に渡せません。どうすればいいですか?
A. ①事業承継税制(特例措置)で税金を猶予・免除する②株価引き下げ対策(役員退職金・生命保険・不動産取得)を実施してから贈与する③段階的な生前贈与で毎年少しずつ渡すなどの方法があります。いずれも早めの対策が重要です。
Q12. 後継者が複数いる場合、株式はどう分けるべきですか?
A. 経営の安定のため、経営を引き継ぐ後継者に議決権の過半数(できれば2/3以上)を集中させることが原則です。経営に関わらない家族には株式ではなく、不動産や現金などで公平に手当てする方法が有効です。株式の分散は経営上のリスクになるため注意が必要です。
Q13. 承継前に会社の財務体質を改善すべきですか?
A. はい、できる限り改善しておくことをおすすめします。具体的には①不要な資産・在庫の整理②借入金の圧縮③不採算事業の整理④収益力の向上などです。財務体質が良いほど、M&Aでの売却価格も上がり、後継者も引き継ぎやすくなります。
Q14. 事業承継・引継ぎ支援センターとはどんな機関ですか?
A. 国が各都道府県に設置した公的な事業承継・M&Aの相談窓口です。専門家(M&Aアドバイザー・税理士など)が無料で相談に応じます。マッチング支援も行っており、後継者不在の中小企業にとって最初の相談先として最適です。
Q15. 事業承継補助金はどのような費用に使えますか?
A. 「事業承継・引継ぎ補助金」は、M&Aや事業承継に伴う費用(専門家報酬・デューデリジェンス費用・登記費用・設備投資など)を補助します。補助率は2/3、上限は最大600万円程度(年度・類型によって異なります)。申請には事前に経営革新等支援機関のサポートが必要です。
まとめ
事業承継・M&Aは「いつかやればいい」ではなく、早めに動き始めることが成功の鍵です。特に事業承継税制の特例措置の2027年3月末という期限は目前に迫っています。まずは無料相談から、ぜひお気軽にご連絡ください。


