【ケース④】遺言書があれば防げた。資産2億円の相続がトラブルになった理由

相続トラブルは「お金持ちの家庭だけの話」ではありませんが、資産が多いほど対立が深刻になりやすいのも事実です。今回は、遺言書さえあれば防げた可能性が高い、資産2億円規模の相続トラブル事例を紹介します。

事例の概要

【登場人物と状況】

関係者 状況・主張
父(82歳・死亡) 元会社経営者。遺産:自宅(8,000万円)・収益アパート(7,000万円)・預金3,000万円・株式2,000万円 合計約2億円。遺言書なし
配偶者(母・79歳) 存命。自宅に住み続けたい
長男(55歳) 父の会社を引き継ぎ。「アパートは会社経営のために使わせてほしい」
長女(52歳) 「法定相続分通りに現金で欲しい」
次男(49歳) 「長男が生前に父から援助を受けていた(特別受益)」と主張

トラブルの経緯

① 特別受益の主張(次男 vs 長男)

次男が「長男は10年前に父から1,000万円の住宅購入援助を受けている。これは特別受益にあたり、相続財産に持ち戻すべき」と主張。長男は「あれは贈与ではなく借入だ」と反論。双方の主張が平行線をたどりました。

② 収益アパートの扱いを巡る対立

長男はアパートを事業用に使いたいと主張する一方、長女は「アパートを売って現金で分割してほしい」と要求。アパートの売却となると長男の事業に影響が出るため、折り合いがつきませんでした。

③ 母の生活費問題

遺産分割協議が長引く中、母の生活費・医療費のために預金を動かせない状態が続き、長女が立替払いを余儀なくされました。この費用負担でさらに兄弟間の溝が深まりました。

【トラブルの結末】

  • ▲ 相続開始から遺産分割完了まで2年3ヶ月かかった
  • ▲ 弁護士費用:長男・長女・次男それぞれ約50〜80万円(合計200万円超)
  • ▲ 家族関係が修復不能なほど悪化。母の介護問題も放置状態に
  • ▲ 相続税の申告期限(10ヶ月)を超えてしまい延滞税が発生

遺言書があれば、どう変わっていたか?

【遺言書で指定できた内容(例)】

  • ✓ 「自宅は配偶者(母)に。母の死後は長男に相続させる」→住居問題を解決
  • ✓ 「アパートは長男に。その代わり長女・次男に代償金として各2,000万円支払う」→不動産分割問題を解決
  • ✓ 「長男への住宅援助1,000万円は特別受益に算入しない」→特別受益トラブルを予防
  • ✓ 「配偶者の生活費として預金1,000万円を別途確保する」→母の生活問題を解決
  • ✓ 遺言執行者を指定することで、相続税申告期限内の手続き完了が可能に

公正証書遺言が最も確実な理由

遺言書の種類には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言がありますが、資産が多く複雑な相続の場合は公正証書遺言が最も安全です。

【公正証書遺言が選ばれる理由】

  • ◎ 公証人が内容を確認するため、形式ミスで無効になるリスクがない
  • ◎ 原本が公証役場に保管されるため、紛失・偽造のリスクがない
  • ◎ 家庭裁判所の検認手続き不要→相続発生後すぐに手続きを開始できる
  • ◎ 遺言執行者を指定でき、スムーズな手続きが可能

まとめ

今回の事例では、父が遺言書を一枚作成しておくだけで、2年以上の争族・200万円超の弁護士費用・家族関係の崩壊を防げた可能性があります。「まだ元気だから」「家族仲はいいから大丈夫」という思い込みが、最大のリスクです。

当ラボでは、遺言書作成・相続対策に精通した専門家が初回無料相談を行っています。遺言書の必要性を感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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