相続における寄与分とは|介護・事業貢献が認められる条件と請求方法
「長年親の介護をしてきたのに、遺産は兄弟で均等割り?」「家業を手伝って会社を大きくしたのに評価されない」介護や事業貢献をした相続人が、他の相続人よりも多く遺産を受け取れる「寄与分」という制度があります。この記事では寄与分の認定条件と請求方法を解説します。
寄与分とは
寄与分とは、共同相続人の中に、被相続人の財産の維持・増加に特別な貢献をした人がいる場合、その貢献分を遺産分割の際に加算して取得できる制度です(民法904条の2)。
寄与分の計算イメージ
遺産総額 − 寄与分 = みなし相続財産
みなし相続財産を法定相続分で分割したものに、寄与者の寄与分を加える
例:遺産1億円・子A(寄与分2,000万円)・子B・子Cの場合
- みなし相続財産:1億円 − 2,000万円 = 8,000万円
- 各自の基礎相続分:8,000万円 ÷ 3 ≒ 約2,667万円
- Aの取得額:2,667万円 + 寄与分2,000万円 = 約4,667万円
寄与分が認められる5つのケース
✅ 寄与分の類型
| 類型 | 具体例 |
|---|---|
| 療養看護型 | 被相続人の介護・看護を長年行い、専門家費用の支出を節約させた |
| 事業従事型 | 家業(農業・会社等)に無償または低賃金で従事し、事業を発展させた |
| 財産給付型 | 被相続人の借金返済・生活費を援助した |
| 財産管理型 | 被相続人の不動産管理・賃貸管理を無償で行った |
| 扶養型 | 被相続人を引き取って生活の面倒を見た(扶養義務を超える範囲) |
寄与分として認められる条件(重要)
⛔ 寄与分として認められるための3要件
- ①特別の貢献:通常の扶養義務・親族としての当然の貢献を超えるもの(同居・介護は程度による)
- ②財産の維持・増加への貢献:その貢献が結果として被相続人の財産を維持・増加させた
- ③無償性:十分な報酬・対価を受けていないこと(給与をもらっていた場合は認められにくい)
→ 単に「長年一緒に住んでいた」「たまに面倒を見た」程度では寄与分として認められないケースが多い
寄与分の証明方法
- 介護日誌・記録:介護した日時・内容を記録したノート
- 医療費・介護費の領収書:立替払いの証拠
- 要介護認定書・医師の診断書:要介護状態の証明
- 通帳記録:仕送り・立替払いの振込記録
- 第三者の証言:医師・ヘルパー・近隣住民の証言
特別寄与料(2019年改正・相続人以外も請求可能)
2019年7月の改正民法施行により、相続人以外の親族(例:長男の妻)も「特別寄与料」として金銭請求できるようになりました。ただし相続人に対して直接請求する形となります。
⚠️ 寄与分・特別寄与料の請求手続き
- まず遺産分割協議で主張:相続人全員の合意があれば協議で決定
- 家庭裁判所の調停・審判:協議がまとまらない場合は家庭裁判所に申立
- 特別寄与料の請求期限:相続開始および相続人を知ってから6ヶ月以内、または相続開始から1年以内
介護や家業貢献をした相続人が正当な評価を受けるためには、日頃からの記録が重要です。また遺言書で被相続人が寄与を認めて多く財産を与えることが最もスムーズです。当ラボでは初回無料相談で寄与分に関するご相談を承っております。

