【ケース①】兄弟3人で実家をどう分けた?不動産相続の解決事例
「実家を誰が引き継ぐか」は、不動産相続で最もよく起きるトラブルの一つです。今回は、兄弟3人で実家の分け方を巡って対立し、専門家の介入で円満解決に至ったケーススタディを紹介します。
事例の概要
【登場人物と状況】
| 関係者 | 状況・主張 |
|---|---|
| 被相続人(父) | 80歳で死亡。遺言書なし。遺産は実家(評価額3,000万円)+預金600万円 |
| 長男(57歳) | 実家で父と同居。「このまま住み続けたい」 |
| 次男(55歳) | 別居・持ち家あり。「売って現金で分けたい」 |
| 三男(52歳) | 別居・賃貸暮らし。「現金が欲しい、早く解決したい」 |
問題点の整理
遺言書がない場合、相続人全員の同意がなければ遺産を分割できません。今回のケースでは以下の点が問題になりました。
- 不動産は物理的に3等分できない→共有名義にすると将来の売却・リフォームが複雑になる
- 長男の介護実績(寄与分)→長男は5年間父の介護を担っており、法定相続分以上を主張
- 次男・三男の早期解決希望→対立が長引くことへの疲弊感
【このまま放置するとどうなる?】
- ▲ 遺産分割協議がまとまらないと相続登記ができない(2024年から義務化)
- ▲ 共有名義のまま放置すると、兄弟の子世代まで権利が拡散し解決が困難に
- ▲ 固定資産税の支払い義務者が不明確になりトラブルが継続
解決のプロセス
STEP1:税理士・司法書士に相談(相続開始1ヶ月後)
次男の提案で税理士に相談。相続財産の評価と相続税の試算を依頼しました。相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×3人=4,800万円)を遺産総額(3,600万円)が下回るため、相続税の申告は不要と判明。
STEP2:長男の寄与分を協議で認定(2ヶ月後)
5年間の介護実績について、家族全員で協議。月5万円相当(年60万円×5年=300万円)の寄与分を認定することで合意しました。
STEP3:代償分割の合意(3ヶ月後)
【最終的な遺産分割の内容】
| 取得者 | 取得内容 | 金額 |
|---|---|---|
| 長男 | 実家(3,000万円)+預金一部 ※代償金支払い | 実質1,500万円相当 |
| 次男 | 長男からの代償金+預金 | 約1,050万円 |
| 三男 | 長男からの代償金+預金 | 約1,050万円 |
※長男が実家を取得する代わりに、自己資金から次男・三男に各900万円の代償金を支払い
この事例から学べること
【ポイント整理】
- ✓ 遺言書があれば、こうした協議が不要になるケースが多い
- ✓ 寄与分は証拠が重要(介護日誌・領収書・通院記録など)
- ✓ 代償分割には資金が必要→生命保険や貯蓄で準備しておくことが重要
- ✓ 早期に専門家を入れることで感情的対立を防ぎ、解決が早まる
まとめ
不動産相続は「誰が住むか」「売るか残すか」で意見が割れやすく、放置するほど解決が難しくなります。今回のケースのように、専門家(税理士・司法書士)を早期に交えた協議が、円満解決への最短ルートです。
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