不動産価格の上昇が相続税に与える影響|評価額と節税対策を徹底解説
都市部を中心に不動産価格が上昇を続けています。「自宅や収益物件を相続したとき、相続税はどうなるのか?」と不安を感じている方は多いのではないでしょうか。不動産価格の上昇が相続に与える影響と、有効な対策を詳しく解説します。
なぜ不動産価格の上昇が相続税に影響するのか?
相続税の計算において、不動産の評価は「路線価方式」または「倍率方式」で行われます。路線価は毎年7月に公示され、地価の動向を反映して更新されます。近年の地価上昇により、路線価も上昇傾向にあり、相続税評価額が増加しています。
| 種類 | 評価方法 | おおよその評価割合 |
|---|---|---|
| 土地(市街地) | 路線価方式(路線価×面積×補正率) | 時価の約80% |
| 土地(農村部等) | 倍率方式(固定資産税評価額×倍率) | 時価の約70〜80% |
| 建物 | 固定資産税評価額 | 時価の約60〜70% |
| マンション(2024年以降) | 改正ルール(市場価格乖離率を考慮) | 時価の約60%(改正で上昇傾向) |
2024年マンション評価の「大改正」に要注意
2024年1月以降、マンションの相続税評価額の計算方法が大幅に改正されました。従来は「固定資産税評価額+路線価による土地持分」で計算されていたため、市場価格の20〜30%程度の評価額になるケースが多く、節税に活用されていました。改正後は市場価格の60%程度まで評価額が引き上げられます。
例:市場価格1億円のタワーマンション
- 改正前の評価額:約2,000万円(市場価格の20%)
- 改正後の評価額:約6,000万円(市場価格の60%)
- 評価額の差:4,000万円増加→相続税が大幅アップ
▲ 「タワマン節税」は実質的に封じられました
不動産を活用した相続税節税の方法
① 小規模宅地等の特例を最大限活用する
被相続人の自宅(居住用宅地)は、「小規模宅地等の特例」を適用することで、330㎡まで評価額を80%減額できます。これは相続税対策の中でも最も効果が大きい制度の一つです。
| 種類 | 限度面積 | 減額割合 |
|---|---|---|
| 特定居住用宅地(自宅) | 330㎡ | 80%減 |
| 特定事業用宅地 | 400㎡ | 80%減 |
| 貸付事業用宅地(賃貸) | 200㎡ | 50%減 |
② 賃貸物件の建築・活用で評価を下げる
更地を賃貸アパート・マンションとして活用することで、土地の評価額が約20〜30%減額されます(貸家建付地評価)。さらに建物も固定資産税評価額×(1-借家権割合)で評価されるため、更地・現金のまま保有するより相続税評価額を大幅に下げることができます。
③ 不動産の相続を「分け方」で対策する
不動産は現金と異なり、簡単に分割できません。事前に遺言書や家族信託を活用して、誰が不動産を取得するかを明確にしておくことが、トラブル防止と節税の両立につながります。
不動産価格上昇時代の相続税対策チェックリスト
- ☑ 所有不動産の路線価・固定資産税評価額を最新版で確認しているか?
- ☑ 小規模宅地等の特例が適用できる条件を満たしているか?
- ☑ マンション・タワマンを保有している場合、2024年改正後の評価額を試算したか?
- ☑ 不動産を共有名義にしておらず、分割方針が決まっているか?
- ☑ 相続税全体の試算(不動産+金融資産)を専門家に依頼したか?
まとめ
不動産価格の上昇は、相続税の負担増加という形で家族に大きな影響を与えます。特に都市部の不動産オーナーの方は、早急に現状の評価額を把握し、小規模宅地等の特例の活用・賃貸活用・遺言書・家族信託などの対策を組み合わせることが重要です。
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