株価上昇が相続税・自社株評価に与える影響|今すぐ対策すべき理由

近年の株式市場の上昇により、「株価が上がると相続税も増える」という問題が、多くの資産家・中小企業オーナーにとって無視できないリスクになっています。株価上昇が相続にどう影響するのか、具体的に解説します。

株価上昇が相続税に影響する2つのルート

【株価上昇が相続税を増やすメカニズム】

ルート 対象者 影響
① 上場株式の評価増加 株式・投資信託を保有する個人 株価が上がるほど相続税評価額が増加
② 自社株評価の増加 非上場会社のオーナー経営者 会社の利益・純資産増加→株価上昇→贈与税・相続税増加

① 上場株式・投資信託を保有している方への影響

相続税の申告において、上場株式は「相続開始日の終値」「相続開始月の月平均終値」「前月の月平均終値」「前々月の月平均終値」の4つのうち最も低い額で評価されます。しかし、株価が全体的に上昇しているときは、この最低値も高くなるため、評価額が増加します。

【株価上昇による相続税増加のシミュレーション例】

例:A株式1,000株を保有 5年前の株価:1,500円 現在の株価:3,000円

  • 5年前の評価額:150万円(相続税ほぼゼロ)
  • 現在の評価額:300万円(相続財産が150万円増加)
  • 相続税率が20%の場合、税額が30万円増加

※ 株式ポートフォリオ全体では数百万〜数千万円規模の影響が生じるケースも

対策:株式の生前贈与・NISAの活用

  • 生前贈与(暦年課税):年間110万円以下の贈与は無税。値上がり前に移転することで評価額を抑えられる
  • 相続時精算課税制度:2,500万円まで非課税で贈与可能(ただし死亡時に精算)
  • NISAの活用:NISAで保有する株式は相続税の課税対象になるが、含み益に対する所得税は非課税のまま引き継げる

② 非上場会社オーナーの自社株評価への影響

中小企業の自社株評価は、主に「類似業種比準価額方式」「純資産価額方式」で計算されます。株価上昇局面では、どちらの方式でも評価額が高まるリスクがあります。

【自社株評価が上がる理由(株高環境)】

評価方式 株高が影響する理由
類似業種比準価額方式 上場同業他社の株価を基準にするため、市場全体の株高が評価額を押し上げる
純資産価額方式 保有する上場株式・不動産の時価が上がると、純資産が増加し評価額が上昇

自社株評価引き下げの主な方法

株高・好業績の時期こそ、意図的に自社株評価を引き下げる対策が有効です。

【自社株評価を下げる具体的な方法】

  • 役員退職金の支払い:利益・純資産を圧縮し、評価額を大幅に下げる効果が高い
  • 生命保険の活用:保険料が損金算入され、利益を圧縮できる
  • 設備投資・不動産取得:純資産の構成を変えて評価方式を変更させる
  • 持株会社(ホールディングス)の設立:株価の分散・評価減の効果がある
  • 事業承継税制の活用:贈与税・相続税を猶予・免除する特例措置の利用

株高・好業績の今こそ「早めの対策」が重要

業績が好調で株価が上昇している時期は、自社株の評価額も高くなっています。この状態のまま相続が発生すると、後継者が高額な相続税・贈与税を課されるリスクがあります。

【株高環境でこんな状況の方は要注意】

  • ▲ 自社株の評価額を把握していない(3年以上見直していない)
  • ▲ 業績が好調で利益・純資産が増加している
  • ▲ 同業他社の株価が大幅に上昇している
  • ▲ 後継者への株式移転をまだ始めていない
  • ▲ 上場株式・投資信託を大量保有している

まとめ

株価上昇は資産の増加という意味ではプラスですが、相続税・贈与税の負担も同時に増加するという側面を見落としてはなりません。特に中小企業オーナーの場合、自社株評価の上昇は事業承継の大きな障壁になります。株高の今だからこそ、専門家と連携した早期の対策が求められます。

当ラボでは、自社株評価・相続税対策に精通した税理士・専門家が初回無料相談を承っています。現状の評価額の試算から対策立案まで、ぜひお気軽にご相談ください。

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