相続税の計算方法をわかりやすく解説|基礎控除・税率・特例・申告期限まとめ
「相続税っていくらかかるの?」「うちは相続税を払う必要があるの?」――相続税は「お金持ちだけが払うもの」というイメージがありますが、2015年の改正で基礎控除が大幅に引き下げられ、課税対象者が約2倍に増えました。都市部に不動産を持つ一般家庭でも、相続税がかかるケースが増えています。
本記事では、相続税の基礎控除・税率・計算方法・申告期限・節税の基本をわかりやすく解説します。
相続税がかかるかどうかの判断:基礎控除とは
相続税には「基礎控除」という非課税枠があります。遺産の総額が基礎控除以下であれば、相続税はかかりません。
📐 基礎控除の計算式
基礎控除 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
・相続人が1人:3,000万円+600万円=3,600万円
・相続人が2人:3,000万円+1,200万円=4,200万円
・相続人が3人:3,000万円+1,800万円=4,800万円
遺産総額がこの金額を超えた場合、超えた分に対して相続税が課されます。
相続財産に含まれるもの・含まれないもの
相続税の計算に使う「遺産総額」には、何が含まれるかを正確に把握することが重要です。
含まれるもの(課税対象)
- 現金・預貯金
- 不動産(土地・建物)
- 有価証券(株式・債券・投資信託)
- 生命保険金・死亡退職金(非課税枠超過分)
- 相続開始前7年以内の生前贈与財産(2024年改正)
- 車・貴金属・骨董品などの動産
含まれないもの(非課税)
- 生命保険金・死亡退職金の非課税枠:それぞれ「500万円×法定相続人数」まで非課税
- 墓地・仏壇・仏具など祭祀財産
- 国や公益法人への寄附財産
相続税の計算方法(ステップ解説)
STEP1:課税遺産総額を計算する
遺産総額 − 基礎控除額 = 課税遺産総額
STEP2:法定相続分で仮計算する
課税遺産総額を法定相続分で分けた金額に、相続税の税率を掛けます。
📊 相続税の速算表(抜粋)
・1,000万円以下:税率10% 控除額なし
・3,000万円以下:税率15% 控除額50万円
・5,000万円以下:税率20% 控除額200万円
・1億円以下:税率30% 控除額700万円
・2億円以下:税率40% 控除額1,700万円
・3億円以下:税率45% 控除額2,700万円
STEP3:相続税の総額を計算する
各相続人の仮計算額を合計して「相続税の総額」を求めます。
STEP4:実際の取得割合で按分する
相続税の総額を、実際に各相続人が取得した財産の割合に応じて按分し、各人の税額を確定します。
主要な控除・特例
配偶者控除(配偶者の税額軽減)
配偶者が相続する財産については、「1億6,000万円」または「法定相続分相当額」のいずれか大きい方まで相続税がかかりません。非常に大きな控除ですが、二次相続(配偶者が亡くなったときの相続)で税負担が増えるリスクもあります。
小規模宅地等の特例
被相続人の自宅や事業用地を相続する場合、一定の要件を満たせば土地の評価額を最大80%減額できます。例えば評価額5,000万円の土地が1,000万円として計算されるため、相続税が大幅に減ります。
相続税の申告・納付期限
相続税の申告と納付は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヶ月以内が期限です。
この期限を過ぎると「無申告加算税(最大20%)」や「延滞税」が課されます。遺産分割協議がまとまっていなくても、期限内に「未分割申告」を行う必要があります。
まとめ
相続税は、基礎控除と主要な特例を正しく活用することで、大幅に節税できる可能性があります。特に小規模宅地等の特例は要件が複雑なため、専門の税理士に相談することを強くおすすめします。まずは遺産総額と基礎控除を比較して、申告が必要かどうかを確認してみましょう。


