遺留分の計算方法と請求手続き|侵害額請求の時効・対策を徹底解説
「遺言書で全財産を長男に渡すと書いてあった。次男の私は何も受け取れないの?」「遺留分侵害額請求とは何か、どうやって請求するの?」法的に保障された最低限の相続分「遺留分」について、計算方法から請求手続きまで詳しく解説します。
遺留分とは
遺留分とは、一定の相続人(遺留分権利者)に対して法律で保障された、最低限の財産を受け取る権利です。被相続人が遺言や生前贈与でどれだけ財産を処分しても、遺留分は侵害できません。
遺留分権利者と遺留分の割合
| 相続人の構成 | 遺留分の合計 | 各自の遺留分 |
|---|---|---|
| 配偶者のみ | 1/2 | 配偶者:1/2 |
| 配偶者+子 | 1/2 | 配偶者:1/4、子:1/4(等分) |
| 子のみ | 1/2 | 子全員で1/2(等分) |
| 直系尊属のみ(父母等) | 1/3 | 等分 |
※兄弟姉妹・甥姪には遺留分なし
遺留分の計算式
✅ 遺留分侵害額の計算
①遺留分算定の基礎財産 = 相続財産 + 一定期間内の生前贈与 − 負債
②各自の遺留分額 = 基礎財産 × 遺留分割合(1/2等) × 法定相続分
③遺留分侵害額 = 遺留分額 − 実際に取得した財産額
【例】遺産5,000万円、配偶者と子2人、全額を長男に遺言した場合:
- 次男の法定相続分:1/4
- 次男の遺留分:5,000万円 × 1/2 × 1/4 = 625万円
- 次男が実際に取得した額:0円
- 遺留分侵害額:625万円
遺留分侵害額請求(2019年改正後)
2019年7月の改正民法施行により、遺留分請求は「現物返還」から「金銭による支払い」に変わりました。遺留分を侵害された相続人は、侵害した人に対して金銭の支払いを求めることができます。
請求の手続きと時効
⚠️ 時効に注意!
- 時効①:相続開始(被相続人の死亡)および遺留分の侵害を知った時から1年
- 時効②:相続開始から10年(知らなくても経過すると消滅)
- まず内容証明郵便で請求の意思表示をすることで時効を中断できる
請求の流れ
- 内容証明郵便による請求:侵害者に対して遺留分侵害額請求の意思表示を内容証明で送付(時効中断のため)
- 当事者間での交渉:話し合いで金額・支払方法を合意できれば解決
- 家庭裁判所での調停:話し合いが成立しない場合は調停申立
- 訴訟:調停不成立の場合は地方裁判所に訴訟提起
遺留分を侵害しないための生前対策
✅ 遺留分トラブルを防ぐ方法
- 遺留分を考慮した遺言書を作成:各相続人の遺留分を確保した内容にする
- 遺留分の事前放棄:相続人全員の合意で家庭裁判所の許可を得て遺留分を放棄させることができる
- 生命保険の活用:遺留分に対応する現金を生命保険で準備しておく
- 付言事項で意思を伝える:遺言書に想いを書くことで感情面のトラブルを防ぐ
遺留分は法律で保障された権利ですが、請求によって家族関係が壊れることも少なくありません。生前から遺留分を考慮した遺言書・対策を行うことが最善です。当ラボでは初回無料相談を承っております。遺留分対策についてお気軽にご相談ください。

