遺言執行者とは?役割・選任方法・報酬をわかりやすく解説

「遺言書を作ったら、あとは誰がどうやって実行するの?」——遺言書を作成した後、その内容を実際に実現する役割を担うのが遺言執行者です。遺言執行者がいないと、遺言の実現がスムーズに進まないケースもあります。この記事では、遺言執行者の役割・選任方法・報酬について詳しく解説します。

遺言執行者とは?

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現するために必要な手続きを行う権限と義務を持つ人のことです。2019年の民法改正により、遺言執行者の権限が明確化され、相続人に対して直接対抗できるようになりました。

【遺言執行者の主な職務】

✅ 相続財産の目録を作成し、相続人に交付する
✅ 預貯金の解約・払い戻し手続き
✅ 不動産の相続登記手続き
✅ 株式・有価証券の名義変更
✅ 相続人・受遺者への財産の引渡し
✅ 遺言の内容に従った各種手続きの実施

遺言執行者がいないと困るケース

遺言書があっても、遺言執行者がいない場合は相続人全員の協力が必要になり、手続きが滞ることがあります。特に以下のケースでは遺言執行者の指定が重要です。

【遺言執行者が特に必要なケース】

⚠️ 相続人が複数いてトラブルが予想される場合:相続人の協力なく手続きを進められる
⚠️ 相続人以外への遺贈がある場合:相続人が非協力的でも執行できる
⚠️ 認知をする旨の遺言がある場合:遺言執行者のみが手続き可能(必須)
⚠️ 特定の財産を特定の人に渡す場合:名義変更等をスムーズに進められる

遺言執行者の選任方法

①遺言書で指定する方法(最も確実)

遺言書の中に「○○を遺言執行者に指定する」と記載する方法です。最も確実で、被相続人の意思を直接反映できます。誰でも指定でき、複数人の指定も可能です。

②家庭裁判所に選任を申し立てる方法

遺言書で指定されていない場合や、指定された人が就職を拒否した場合などに、相続人・受遺者・利害関係人が家庭裁判所に選任の申立てをすることができます。

【遺言執行者の比較:指定 vs 家裁選任】

比較項目 遺言書での指定 家裁による選任
確実性 ◎ 被相続人の意思通り △ 裁判所が選任
手続き ◎ 遺言書に記載するだけ △ 申立て費用・時間がかかる
タイミング ◎ 相続開始後すぐに就任 △ 選任まで時間がかかる

誰を遺言執行者に選ぶべきか

遺言執行者には、未成年者・破産者以外であれば誰でもなることができます。相続人自身を指定することも可能ですが、利害関係があるため、中立的な専門家を指定する方がトラブルを防げます。

【候補者別のメリット・デメリット】

👤 相続人(子など):費用不要だが、利害関係でトラブルになることも
👤 親族・知人:費用不要・負担をかける場合がある。専門知識がないと手続きが大変
👤 弁護士・司法書士:◎ 専門知識で確実・中立に手続き。報酬が発生する
👤 信託銀行:遺産額が大きい場合に適する。費用は高め

遺言執行者の報酬

遺言執行者の報酬は、遺言書に金額を記載することができます。記載がない場合は、家庭裁判所が相当額を決定します。一般的に弁護士・司法書士に依頼した場合の目安は以下の通りです。

【専門家報酬の目安】

📋 遺産総額1,000万円以下:30〜50万円程度
📋 遺産総額3,000万円以下:50〜80万円程度
📋 遺産総額5,000万円以下:80〜120万円程度
📋 遺産総額1億円超:遺産額の1〜1.5%程度

※ 事務所・案件の複雑さにより異なります

遺言執行者に関する注意点

【よくある失敗・注意点】

指定した人が先に亡くなった場合:後任の指定または家裁選任が必要。予備的に指定しておくことも重要
指定した人が就職を拒否した場合:就職拒否の意思表示から選任の申立てが必要
遺言執行者の辞任:正当な事由がなければ辞任できない。家裁の許可が必要
複数指定時の意見対立:特定の職務の分担を明確にしておくと良い

まとめ

遺言書の実効性を高めるためには、遺言執行者の指定が非常に重要です。相続人の協力が得られない状況や、特殊な手続き(認知・特定遺贈など)が含まれる場合は、専門家を指定しておくことで、被相続人の意思を確実に実現することができます。遺言書の作成段階から、誰を遺言執行者にするかを十分に検討し、あらかじめ本人の了承を得ておきましょう。

当ラボでは、遺言書の作成から遺言執行者の選任まで、専門家が無料でご相談をお受けしています。お気軽にお問い合わせください。

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