【ケース⑤】10年かけた生前贈与で相続税をほぼゼロに。節税2,000万円の実例
「相続税対策は難しそう」「何をすればいいかわからない」と感じている方でも、早めに専門家と計画を立てれば大きな節税効果が得られます。今回は、10年間の生前贈与計画で相続税を劇的に圧縮した実例を紹介します。
事例の概要
【開始時点の状況】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 父(当時65歳)の資産 | 自宅:4,000万円 預金:6,000万円 株式:2,000万円 合計1億2,000万円 |
| 法定相続人 | 配偶者(母)・長男・長女の3名 |
| 基礎控除額 | 3,000万円 + 600万円×3人 = 4,800万円 |
| 課税遺産総額(対策前) | 1億2,000万円 − 4,800万円 = 7,200万円 |
| 対策前の相続税試算 | 約2,100万円 |
実施した節税対策(10年間)
① 暦年贈与:毎年110万円×3人(10年間)
母・長男・長女への年間110万円の基礎控除枠を活用した贈与を毎年実施。10年間で合計3,300万円を非課税で移転しました。
② 孫への教育資金贈与
長男の子(孫2人)に教育資金の一括贈与を実施。一人あたり1,500万円まで非課税の「教育資金の一括贈与制度」を活用し、計2,000万円を移転。
③ 生命保険の活用
預金から一時払い終身保険に1,500万円を移転。死亡保険金は「500万円×3人=1,500万円」の非課税枠を満額活用しました。
④ 小規模宅地等の特例の準備
長男が相続開始前から父と同居する形に変更(老親との同居)。これにより自宅(4,000万円)に対して小規模宅地等の特例(80%減額)を適用できる準備を整えました。
【10年間の対策による財産圧縮効果】
| 対策内容 | 移転・圧縮額 |
|---|---|
| 暦年贈与(110万円×3人×10年) | ▲ 3,300万円 |
| 教育資金贈与(孫2人) | ▲ 2,000万円 |
| 生命保険の非課税枠活用 | ▲ 1,500万円 |
| 小規模宅地等の特例(自宅80%減) | ▲ 3,200万円(4,000万円×80%) |
| 合計圧縮額 | ▲ 約1億円 |
対策後の相続税計算
【対策前後の相続税比較】
| 項目 | 対策前 | 対策後 |
|---|---|---|
| 課税対象財産 | 1億2,000万円 | 約2,000万円 |
| 基礎控除後の課税額 | 7,200万円 | 基礎控除以下(課税なし) |
| 相続税額 | 約2,100万円 | ほぼゼロ(配偶者控除も活用) |
節税効果:約2,000万円以上
成功のポイント
【この事例が成功した3つの理由】
- ✓ 65歳という早い段階で相続税の試算を行い、対策を開始した
- ✓ 複数の対策を組み合わせた(贈与・保険・特例)ことで相乗効果が出た
- ✓ 毎年の贈与を継続した(「定期贈与」と見なされないよう、金額・時期を毎年変えながら実施)
まとめ
相続税対策は「早く始めるほど効果が大きい」のが鉄則です。今回のケースでは10年間という準備期間があったため、約2,000万円もの節税が実現しました。「まだ早い」と思っている方こそ、今すぐ現状の把握と試算を行うことをお勧めします。
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