借地権の相続税評価|路線価×借地権割合の計算方法と注意点
「親が借地に家を建てているが、相続税の評価はどうなるの?」「借地権って土地を借りているだけなのに相続税がかかるの?」借地権は目に見えない財産ですが、相続税の課税対象となります。この記事では、借地権の相続税評価の計算方法と、地主・借地人それぞれの立場での注意点を解説します。
借地権とは何か
借地権とは、建物を所有する目的で他人の土地を借りる権利です。土地そのものは地主が所有していますが、借地権者(土地を借りている人)はその土地の上に建物を建て、使用する権利を持ちます。この権利は財産価値があるため、相続の際に相続税の対象となります。
借地権の種類
| 種類 | 存続期間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 普通借地権(旧借地権含む) | 30年〜(更新あり) | 更新拒絶は正当事由が必要 |
| 定期借地権 | 50年〜(更新なし) | 期間満了で返還 |
| 一時使用目的の借地権 | 短期 | 臨時設備等の目的 |
借地権の相続税評価の計算式
借地権の評価額は、その土地の自用地評価額(路線価×地積)に借地権割合を掛けて計算します。
✅ 借地権評価額の計算式
借地権評価額 = 自用地評価額 × 借地権割合
【計算例】
- 路線価:30万円/㎡ × 地積200㎡ = 自用地評価額 6,000万円
- 借地権割合:70%(路線価図のD〜Gの記号で確認)
- 借地権評価額 = 6,000万円 × 70% = 4,200万円
借地権割合とは
借地権割合は、国税庁が路線価図・評価倍率表に記載しているもので、地域ごとに30%〜90%の範囲で設定されています。都市部ほど借地権割合が高い傾向があります。
借地権割合の目安(路線価図の記号)
| 記号 | 借地権割合 | 主な地域 |
|---|---|---|
| A | 90% | 商業地域の中心部 |
| B | 80% | 都市部の商業地 |
| C | 70% | 都市部の住宅地 |
| D | 60% | 一般的な住宅地 |
| E | 50% | 郊外の住宅地 |
| F | 40% | 地方都市 |
| G | 30% | 農村・地方部 |
底地(地主側)の評価
借地権が設定されている土地(底地)の評価は、自用地評価額から借地権割合を差し引いた部分(底地割合)で計算します。
底地の評価式
底地評価額 = 自用地評価額 × (1 − 借地権割合)
例:自用地評価額6,000万円、借地権割合70%の場合
底地 = 6,000万円 × 30% = 1,800万円
定期借地権の評価
定期借地権は普通借地権と異なり、存続期間が有限なため、残存期間に応じた評価方法が用いられます。残存期間が短いほど評価額が低くなります。
借地権相続時の注意点
⛔ 見落としやすいポイント
- 承諾料の問題:借地権を相続する際は地主の承諾不要だが、建物を建て替える際は承諾が必要
- 借地契約の確認:旧法借地権か新法借地権かにより手続きが異なる
- 地代の引き継ぎ:相続後も地代支払い義務が継続。滞納があれば解除リスク
- 無断転貸の禁止:地主の承諾なく借地権を他者に譲渡・転貸すると契約解除の原因に
- 借地権の評価漏れ:「土地を借りているだけ」と思い込み、相続税申告で漏らすケースがある
借地権と底地の「同時売却」による節税
借地権と底地は別々に売るより、借地権者と地主が協力して一体で売却すると高値がつく場合があります。相続後に不動産を整理したい場合は、地主と交渉して「底地・借地権の交換」または「同時売却」を検討する価値があります。
借地権の相続税評価は、路線価・借地権割合・地積等の正確な把握が必要です。評価を誤ると過大申告・過少申告のリスクがあります。当ラボでは初回無料相談を承っており、借地権・底地の相続評価についても対応しております。お気軽にご相談ください。


