相続した株式の売却と税金|取得費加算の特例で譲渡所得税を大幅節税

「親から株式を相続したが、売る時に税金はどうなる?」「相続した株の取得費はいくらで計算するの?」相続した上場株式を売却する際は、相続税の取得費加算の特例など有利な制度があります。この記事では相続株式の売却に関する税務を解説します。

相続した株式を売却する際の基本

相続した株式を売却した場合、譲渡所得税(所得税・住民税合計20.315%)が課税されます。課税対象は「売却価格 − 取得費 − 売却手数料」です。

相続株式の「取得費」の考え方

相続で取得した株式の取得費は、被相続人(亡くなった方)が購入した時の価格を引き継ぎます。

  • 被相続人が100万円で購入した株を相続→ 取得費は100万円
  • その株を500万円で売却した場合→ 譲渡益は400万円(税額約81万円)
  • 被相続人の購入記録が分からない場合は売却額の5%が取得費(概算取得費)

相続税の取得費加算の特例(最重要)

相続税を支払った場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できる特例があります。これにより譲渡益を大幅に圧縮でき、譲渡所得税を減らせます。

✅ 取得費加算の特例(計算式)

加算できる金額 = 相続税額 × (売却する財産の相続税評価額 ÷ 相続した全財産の相続税評価額)


【例】相続税200万円を支払い、株式(相続税評価額500万円)を取得した場合:
全財産の評価額2,000万円とすると
加算できる金額 = 200万円 × (500万円 ÷ 2,000万円) = 50万円

適用要件:相続開始の翌日から3年10ヶ月以内に売却することが条件

相続した株式の評価方法(相続税申告時)

⚠️ 上場株式の相続税評価(4つの価格のうち最低額)

  • 相続開始日の終値
  • 相続開始月の終値の月平均
  • 相続開始前月の終値の月平均
  • 相続開始前々月の終値の月平均

→ 上記4つのうち最も低い価格が相続税評価額となります

相続した株式を売却するタイミングの注意点

⛔ 売却タイミングで損する可能性

  • 3年10ヶ月以内に売る:取得費加算の特例が使える(有利)
  • 3年10ヶ月を超えてから売る:特例が使えず通常の取得費(購入額)で計算
  • 相続直後に株価が下がった場合:相続税評価額より低い価格で売ることになり二重の損失

非上場株式(自社株)の売却

非上場株式(自社株)を相続後に売却する場合は、上場株式と異なる評価・手続きが必要です。主に以下のケースがあります。

  • 発行会社への売却(自社買い):みなし配当課税が発生する可能性がある
  • 第三者へのM&A:法人税ではなく譲渡所得税(個人の場合)が課税
  • 事業承継税制との関係:猶予中の株式を売却すると猶予が取り消される

確定申告が必要なケース

相続した株式を特定口座(源泉徴収あり)で売却した場合は確定申告不要です。ただし、取得費加算の特例を適用する場合は確定申告が必須です。特例は申告しないと適用されません。

相続した株式の売却は、取得費加算の特例を活用することで大幅な節税が可能です。特に3年10ヶ月の期限を意識した売却スケジュールが重要です。当ラボでは初回無料相談で株式の相続・売却に関する税務アドバイスを承っております。

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